10月21日(月)10時から、西東京市南町スポーツ文化交流センタ―「きらっと」で、田無手をつなぐ親の会が主催して「大災害時に、障がい者、家族を守るために」と題する鍵屋一先生の講演会を開催しました。
参加者は、親の会会員31名、他に田無特別支援学校校長、地域福祉関係者ら35名で、合計67名でした。
秋田県出身の鍵屋一先生は、秋田の民俗行事「ナマハゲ」は災害ボランティアだと切り出して参加者を引き付けました。平時は五穀豊穣、家内安全を祈る来訪神である「ナマハゲ👹」ですが、災害時には要配慮者情報(ナマハゲ台帳)に基づいて避難支援を行うボランティアに早変わりする!!というお話から始まりました。
「泣ぐ子はいねが~、怠けものはいねが~」 「親の言うこど聞がねガキはいねが~、ウオ~ウオ~」と大晦日の晩に各家にやって来る鬼の面を着けた若者、しかし、彼らは、このとき、入って行く家々の家族の様子を後でしっかり台帳に記録し、災害が起きたときは、このナマハゲ台帳に基づいて若者は避難支援に飛び出していくのだそうです。普段からの地域でのつながりの大事さや、人間関係の大切さを再認識しました。
また、人間には、特性として、正常化の偏見、「自分は大丈夫!」と思ってしまう偏見のあることを学びました。自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする人間の特性。まずは正常化の偏見を捨てて、災害は自分にも誰にでも起こりうることと認識し、普段からの話し合い、備えが大切だと教えられました。
障害者や高齢者を守るため、先ずは①自助=減災対策を行うとともに、防災スタート・ブックを整理し、家族情報、持ち出し品(自助バック)を点検、②新たな共助=ボランティア、NPO、企業などと連携、③従来からの共助=近助=近所、消防団、自主防災会、福祉関係者、コミュイニティの防災活動とのつながりが重要であること。そして、もちろん④公助=自治体・警察・消防・自衛隊・病院・学校などによる防災計画、BCP(事業継続計画)を通じた広域連携が如何に大事であるかを学びました。
自助はまだまだ弱い現実、地域の防災訓練に参加したことがあるか、災害用伝言ダイヤルを知っているか、障害児のサポートブックを作っているか、近所付き合いが出来ているか、などなど課題や反省点はたくさんあるし、障害者にとって地域の助け合いは重要だが、必ずしもうまく行われていないことを認識して、対応することが大事と、そして、災害に対してはマニュアル通りではダメなことが多い、規定外の災害がやってくることを想定すべきと、最後に先生は話していました。
鍵屋一先生のプロフィール
1956年秋田県男鹿市生れ。早稲田大学法学部卒業、法政大学大学院政治学専攻修士課程修了、京都大学博士(情報学)。1983年板橋区入区、福祉部長、危機管理担当部長(業務)、議会事務局長を経て2015年3月退職。2015年4月から跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授。内閣府「避難所の役割に関する検討委員会座長」「災害時要援護者の避難支援に関する検討会委員」など。内閣府地域活性化伝道師、(一社)福祉防災コミュニティ協会代表理事、NPO法人東京いのちのポータルサイト副理事長、(一社)マンションライフ継続支援協会副理事長、(一社)防災教育普及協会理事などを勤める。
鍵屋先生の講演会終了後、西東京市の危機管理室の方より市の災害対策の話を伺いました。今年は、15号、19号の台風の被害が続く中とてもタイムリーな内容でした。
①「これだけは準備しておきたい!」(家庭版)チェック表
②西東京市浸水ハザード・マップ
③東京都オリジナルのマイ・タイム・ライン作成ガイド・ブック、マイ・タイム・ライン・シート 、など
役立つ情報が満載の資料を頂くなど、お土産がいっぱいでした。